書誌詳細

レベッカ/シンチョウ ブンコ レベッカ 下

書名

レベッカ/シンチョウ ブンコ レベッカ 下

シリーズ

新潮文庫(テ-4-4)

著者

デュ・モーリア,ダフネ/チノ,ミドリ/Du‐Maurier,Daphne デュ・モーリア∥〔著〕 茅野/美ど里∥訳

出版者

新潮社

出版年月日

2008.3

配架場所

エディットタウン / ブックストリート / 6-E-09

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その他

言語

ISBN

9784102002049

所蔵情報

登録番号

860000469

大分類

ET6:男と女のあいだ

中分類

ET6-11:傑作ラブロマンス

小分類

ET6-11-04:憎しみと紙一重
配架場所を確認する

千夜千冊

深夜、皮膚がぴくっと動いてしまった自分に戦慄してしまうような物語に、いつごろ最初に出会ったのだろうか。きっと中学生のころのコナン・ドイルか江戸川乱歩が最初だったとおもうが、一度この戦慄を経験してしまうと、何度もその経験に入りたくなるのが子供ごころに不思議だった。
 もっともだからこそ、この皮膚が戦慄するという感覚を追いかけるサスペンスという領域が作家たちの想像力と創造力を駆りたててきたわけである。

 人間を捉えて離さない異常な戦慄が、そもそもどのように生じてくるのかということを研究した者は、あまりない。
 心理学者はとくにこの手の研究には弱い。役にも立たない。哲学者もサスペンスなど思索していない。現代哲学もサスペンスを研究するようになればいっぱしのものだとおもうが、めったにそういう哲学はない。すぐに「悪とは何か」などというめんどうな議論ばかりする。
 けれども、世間の人間たちの心理を占めるのはきまって異常なサスペンスなのである。とりわけこの20年ほどはディーン・クーンツとスティーブン・キングの登場以来というもの、ずっとモダンホラーというサスペンスで埋められてきた。それなのに、いまだに心理学も哲学も、また社会学もサスペンスを研究しない。
 では、誰がサスペンスを研究してくれたのだろうか。そういうことにかけて先駆的だったのはアルフレッド・ヒチコックだったのではあるまいか。
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読書メーター

ヴェネツィア

下巻では物語展開の速度が一気に上がり、読者にとっても語り手の「わたし」にとっても思いもよらぬ展開相を見せ、そこからは2転3転しつつ怒涛の結末を迎えることになる。そして、マンダレーの終末は物語の冒頭に回帰するのだが、それはけっして円環を結ばない。廃園となったマンダレーは、それゆえにこそ失われた永遠の時を彷徨い続けるのだ。すべてが終わって再び冒頭を読むと、そこでは「わたしたち」と語られていたことに改めて気づく。にもかかわらず、すべては失われたのであり、「わたし」の回想は苦くも暗いロマネスクの中に溶解する。

472

投稿日2016-01-22

Kircheis

★★★★☆  ゴシックロマンの金字塔と言われる名作だけあってかなり面白い。 しかし、最後まで主人公には何ら共感できる部分がなかったな…  ダンヴァーズ夫人に自殺を唆されるシーン以降は陰鬱なサスペンス色が薄れ、愛の物語へと変貌する。しかし愛も行きすぎると怖い。殺人の告白を聞いた感想が「この人はレベッカを愛してなかった(嬉)」っていうのもイカれてると思うよ。 火災を示唆するラストシーンは、雰囲気は良いんだけど少し不自然に感じた。マキシムを殺害するなら分かるんだけど…

356

投稿日2023-03-19

ケイ

途中までは怪奇・幻想小説に思えるが、すべては故あっての事だったのだ。恐怖との対峙からか、主人公の、女性として、また人間としての成長が著しい。最後に仕掛けをもってくるための壮大な仕掛けだったのか。映像もあるようだが、そちらの方が、主人公の受ける恐怖をうまく表現できるのではないかと思った。

132

投稿日2015-07-16

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