書誌詳細

ガルガンチュア ト パンタグリュエル/ダイヨン ノ ショ/チクマ ブンコ ガルガンチュアとパンタグリュエル 4 第四の書

書名

ガルガンチュア ト パンタグリュエル/ダイヨン ノ ショ/チクマ ブンコ ガルガンチュアとパンタグリュエル 4 第四の書

シリーズ

ちくま文庫(ら5-4)

著者

ラブレー,フランソワ/ミヤシタ,シロウ/Rabelais,Fran〓ois ラブレー∥著 宮下/志朗∥訳

出版者

筑摩書房

出版年月日

2009.11

配架場所

エディットタウン / ブックストリート / 1-C-02

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その他

言語

ISBN

9784480420589

所蔵情報

登録番号

810002724

大分類

ET1:記憶の森へ

中分類

ET1-08:人間の喜劇と悲劇

小分類

ET1-08-05:型破りな主人公

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千夜千冊

世界文学史上、こんなに荒唐無稽でヒューマンで、
超インテリジェントで、変おかしくて、
登場人物の全員が暴走しつづける大作なんて、ない。
これからもない。こんな話、ラブレーしか書けない。
案の定、この前代未聞にラ・フォンテーヌもモリエールも
バルザックもデュマもユゴーもルブランも、
マラルメも岩野泡鳴もレイモン・クノーも、
ジャン・コクトーもフェルナンド・セリーヌも、
ボルヘスもイタロ・カルヴィーノも、
大江健三郎も井上ひさしも、やられてしまった。
いや、ガルガンチュアとパンタグリュエルを
知らない文学なんて、はなっからモグリなのである。
かく言う松岡正剛もずっと敬服しっぱなしだった。
そのあまりの暴走力に恐れをなして、
呆然至極と見守っていたにすぎなかった。
ところが、ここに人生七十古稀暴走を迎える夜が来て、
暴走つながりが生じたのだ。
これはまあ、えらいことになったものである。



 早稲田の茶房の片隅で苦い珈琲を啜りながら、ハイライトを片手に日本ではめずらしいユマニスト渡辺一夫(111夜)の『へそ曲がりフランス文学』(カッパブックス:その後『曲説フランス文学』)を読まなかったら、糞ったれ大巨人のガルガンチュアのスカトロジーにも「喉からから王国」の王様パンタグリュエルにも関心をもたなかったろうし、「遊」1011号(1980)の『国家論インデックス』のⅡ「追憶の国家」09に「テレームの僧院」を挙げたりしなかった。
 ミハイル・バフチンの『フランソワ・ラブレーの作品と中世・ルネッサンスの民衆文化』(せりか書房)を知らなかったら、『ガルガンチュアとパンタグリュエル』なんて大部のめちゃくちゃ物語を読む気にはならなかった。もっとも渡辺一夫訳の岩波文庫版は第3巻の途中で挫折した。
 そして、古稀を迎えたこの2014年1月25日の前後でなければ、フランソワ・ラブレーのこんなに知的でこんなに荒唐無稽な物語を、宮下志朗の名翻訳と絶妙の手引きを借りて、みなさんに紹介する気にはとうていならなかった。それほどこの物語とラブレーの生きざまを案内するのは暴走的なのだ。‥深層圏暴走族伴走派。
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読書メーター

ケイ

第三の書から主役は、お供パニュルジェになった如く…、第四でも彼が中心。その臆病さ、情けなさが際立ち、本書は彼のとんでもない語りで終わる。言わばイジラレキャラ。それを日に日に頼もしさが目立ってくるジャン修道士が諌め、助け、絡んでいく。前半の、アンドュイーユ(うなぎ)族の戦いにおいて、ジャン修道士のアイデアで勇敢な料理人達を召喚し、トリュイの牝ブタに彼らをいれて送り込んで見事勝利を治める勝ち方が、まさにパンダグリュエル主義(和平を重んじ、主戦論に傾かない)で、微笑ましい。後半の一部に宗教戦争の影が見られる

95

投稿日2015-06-15

かんやん

徳利明神の託宣を求めてパンタグリュエル様御一行船団が、いざ出航。嵐に見舞われ、鯨に襲われ、戦に巻き込まれるものの、ワクワク冒険物語では全くない。本文より多いような註に助けられ解読すると、各島での挿話の風刺・寓意が浮かび上がる。一番分かり易く笑えるのは、やっぱり痛烈なる教皇批判。それはともかく、古代ギリシャ・ローマの神話・哲学・歴史・逸話の膨大な引用(やはり註頼り)が織り成す間テクスト性の森を彷徨い歩くような読書だった。いや、実に豊かな世界で、枠を作って説話を集めてくるデカメロン型の物語集とは一線を画す。

28

投稿日2020-11-21

fseigojp

パニュルジュの吉本っぽい行動が笑いをさそう

10

投稿日2023-03-14

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