書誌詳細
アオイトリ/シンチョウ ブンコ 青い鳥
書名
アオイトリ/シンチョウ ブンコ 青い鳥
著者
モーリス メーテルリンク/ホリグチ ダイガク/メーテルリンク,モリス/Maeterlinck,Maurice モーリス・メーテルリンク∥著 堀口 大学∥訳
出版者
新潮社
出版年月日
2006.11.30
配架場所
エディットタウン / ブックストリート / 1-A-02
閲覧
可
その他
レーベル
新潮文庫
言語
日本語
ISBN
9784102013014
所蔵情報
登録番号
810002119
大分類
ET1:記憶の森へ
中分類
ET1-01:別世界へどうぞ
小分類
ET1-01-03:理想都市ユートピア
タグ一覧
千夜千冊
メーテルリンクの『青い鳥』なんて読むまいとダダをこねていた。ぼくはグリムやアンデルセンや小川未明ならオーケーだが、善意だけでできているような童話や物語はとても苦手なのだ。『一杯のかけそば』では困るのだ。宮沢賢治だって、『銀河鉄道の夜』『風の又三郎』『注文の多い料理店』をはじめ大半の作品はオーケーだが、『雨ニモマケズ』だけは中学の教科書で読んだときに、途中で嫌になった。 ところがあるとき、メーテルリンクの『温室』を読んで考えこんだ。詩集であるが、かなり深みを示していた。あえて日本語の感覚で説明してみるが、ここには「験」とは何か、「憑」とは何かということの根本が問われていた。混乱を救うものは瞬間と運命の両方にひそんでいることを告げていた。 それでも『青い鳥』はやめておいた。そのうち『埋宮』を古本屋で見つけて読んでみて、やはりメーテルリンクは只者ではないことがはっきりしてきた。『埋宮』は中世フランドルのルースブルックの神秘学にノヴァーリスの結晶哲学を混ぜていた。物語の構造も本格的だ。 そのうちドビュッシーやシェーンベルクの《ペレアスとメリザンド》を聴くうちに、これはどうでも『青い鳥』を読むしかなくなった。なぜ少年ペレアスと少女メリザンドは森と泉の架空の国アルモンドに行かなければならなかったのか、知ってみるしかなくなった。こういうひどい読者だったのだ。もっと見る
読書メーター
ヴェネツィア
かほどに名高い作品なのだが、実は初読。これが戯曲であることも知らなかった。ついでに言うと、結末も私がこれまでに思い描いてものとは違っていた。戯曲だが、読むよりも舞台で演じられるのを鑑賞する方がよさそうだ。全体はいわば夢幻劇。ただし、泉鏡花の例えば『夜叉が池』のような一連の幻想的な劇に比べると、やや即物的な感も否めない。舞台や衣装を事細かく指定しているのだが、そのことがかえって劇に制限を与えているように思われる。もっとも、子供たち向けの舞台として演じるなら、これはこれで子どもたちを夢の国に誘うかもしれない。
★457
投稿日2017-01-29
こーた
クリスマスイヴ。妖女に唆されたチルチルとミチルの兄妹は、幸せの青い鳥を探して夢の世界へ旅立つ。時を操る魔法の帽子、お供にはイヌとネコ、まではわかるが、ほかにも火や水に光、さらには砂糖やパンなんてのも、一緒になってついてくる。猿蟹合戦の臼や糞といい勝負ではないか。もとは戯曲として書かれた。つまりはかれらを、人間が演じる。ひとが演じることで人格が宿り実体がうまれる。これぞほんとうの擬人化、だ。学校や地域のコミニティなどで演じたら一層おもしろい。実際の舞台上を想像しながら読む。演劇の奥深さを想う。
★243
投稿日2019-06-23
zero1
幸福はどこ?目に見える物だけが本物?世界的な戯曲を再読。クリスマスイブの夜、妖女が現れ兄と妹は青い鳥を探す旅に出た。思い出の国、夜の宮殿、墓、未来の王国などで彼らが経験したことは?「オズの魔法使い」(ボーム)や「アルケミスト」(コエーリョ)と同じテーマで国や文化を超越している。光や青い鳥は何を意味するのか。1911年のノーベル賞もあるが、この作品が読み継がれているのは何故か、読めば分かる。青い表紙に堀口大學の翻訳。これだけでも本書を手にする価値あり!の一冊。あなたは近くにいる青い鳥を見逃してない?
★153
投稿日2019-09-01
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